きったねぇボロ雑巾みたいなスライム怪獣・カルティキが、人間や建物をドロドロ溶かしまくる! 皮膚を食いちぎられて眼球むき出しの髑髏と化した顔面、肉が溶けて骨だけになった腕...。50年代なのに80年代スプラッターみたいなグロ描写を平然とブチ込んでくる旺盛なサービス精神。これがイタリアン・ホラーだ! 終盤には巨大化したカルティキが家を倒壊させ、軍隊や戦車が続々と出動。キッチュなミニチュア特撮ながら中々楽しませてくれる。陰影を効かせた異様なコントラストの照明もすごい。撮影・特撮・一部演出を務めたマリオ・バーヴァのゴシック志向が全面に出ている。カルティキが暴れるシーン以外はあくびが出るほど退屈だが、主人公を含む探検隊の人間関係が無駄にドロドロしていて、後のジャーロブームへの繋がりを感じた。