もとまち

グリーンランドー地球最後の2日間ーのもとまちのレビュー・感想・評価

3.7
徹頭徹尾ジェラルド・バトラーの視点から終末の風景を展開していく前半が滅法面白い。空の異変は見上げる動作との切り返しによって漸く映され、渋滞やパニックは車窓越しに捉えられる臨場感。やはり世界の終わりはマクロよりもミクロな場所から眺めてこそ。家族がバラバラに散らばってリストバンド争奪戦に至る中盤以降は図式が見え過ぎてあんまり乗れず。せっかくの終末行脚も軍事基地を行きつ戻りつしてるだけだから大して盛り上がらない。それよりもバトラーの行く先々にチラッと姿を現す、終焉をただ待ち続ける人々の描写が魅力的。隕石の落下を遠巻きに見つめながら屋上でパーティーに興じる若者集団、バプテスト教会の中で聖歌を歌い神に祈る信徒たち。クソみたいな状況なのに(別に助けてもらえるわけでもないのに)己の仕事を全うする軍人・医療者の姿も切なくて良い! 世界最後の日でも社会人は出勤するし多分死ぬ寸前まで働いてるんだろう。
もとまち

もとまち