あやっち

バスルーム 裸の2日間のあやっちのレビュー・感想・評価

バスルーム 裸の2日間(2011年製作の映画)
3.9
常にHDD空き容量との不毛な戦いを強いられるお茶の間ウォッチャー(´Д`;)
で、本作品。だいぶ前に録画したけれど、タイトルからしてB級の香りがぷんぷんする。DVDに落とすまでもない、一応消す前にちょっと見てみるか。

・・・おおおお、意外や意外、これがなかなかの秀作。ちっともB級じゃないやんか。なにしろ邦題が悪い、邦題が。原題どおり「Madrid, 1987」でええやんけ。
そう言えばスペインの映画なんてこれが初めてかも?
何というか、谷崎潤一郎っぽいエロティシズムなのである。
要するに、ヤるのヤらないのを文学的にもったいぶる作品だ。

登場人物は、エッセイストのおっさんと美人な女子大生のほぼ二人だけ。場所もほぼバスルームだけである。いわゆる密室劇だが、サスペンスだのミステリーだのって要素はない。あ、これってネタバレかな。でも邦題自体がネタバレそのものだし、まあいっか。

で、この下心ありまくりのオサーンがあの手この手で「ヤらせろ」とオネーチャンに言いまくる。だがオサーンは基本ナルシストなので相手を褒めたり口説いたり迫ったりなどしないし、そもそもあまりセックスアピールに乏しい男なのだ。これがショーン・コネリーやゲイリー・オールドマン(※)みたいなオサーンだったら大変なことになる(※あくまで私の趣味)。一方、オネーチャンはオネーチャンで求めに応じるような応じないような。青臭い発言で、年寄りの昔語りをはねつける。・・・それが延々と続くわけだけど、私は不思議と退屈しなかった。とにかく、このマリア・バルベルデ嬢の裸体を拝むだけでも一見の価値があるのではないだろうか。ただし、エマニュエル夫人のようなお色気は期待しないでねっ(^^;)