すぽんじ

黙して契れのすぽんじのレビュー・感想・評価

黙して契れ(2010年製作の映画)
4.2
【表裏一体】銃と言葉の使い道【紙一重】

スラムで兄弟として育った兄フリオと、その兄がGATO﹙ガト=猫﹚だと思って拾った弟のダニエル。
2人は地元サッカーチームで活躍していた。そんな毎日がある事をきっかけに変わり…

いやぁ、このラストは全く想像してなかった……!
というか1回目ちょっと勘違いしてて、終わってから「え…?」って思って巻き戻したら。。。ぶわっっっ(;;ω;;)

舞台がベネズエラはカラカスのスラムで治安は最悪。
フリスクでも食べるかのごとく頻繁にポケットから銃を出し人を殺す殺す。
南米が舞台の映画を観ると、本当にこれが同じ地球上で同じ人間なんだという事が信じられない位、私は恵まれた環境に居るんだと思い知る。

でもそんな困難な環境下においても善人であろうと頑張っている人は確かに存在して、全ての人が環境に染まるわけじゃないのが分かる。そんな人が存在する以上、環境や運のせいには出来ない。

この兄弟もやり方は違っても必死に足掻いていた。
あの銃弾が、あの言葉が、降り注ぐまでは。
銃も言葉も使い方ひとつ。
人を守り安心感を与える一方、毒と化せば簡単に人の命を奪ってしまえる。使い方がとても難しい道具。
自分や自分の周りの人が傷付けられた時に、どれだけ使い方を間違えないで居られるだろう…
とっても考えさせられた。

原題『HERMANO』﹙スペイン語で兄弟の意﹚のほうがシックリくる本作、サッカーに興味無くても大丈夫!
ヒロインは南米版・広瀬すず的な可愛さ♡﹙若干盛り﹚
97分とは思えない濃厚な時間をぜひ沢山のかたに味わっていただきたい。

2015.12.15GYAO!無料配信