朧気sumire

ヘッドハントの朧気sumireのレビュー・感想・評価

ヘッドハント(2012年製作の映画)
3.8
連続殺人鬼の濡れ衣を着せられたトーマス・レッドマン。その汚名を晴らすべく廃屋ビルをオフィスに改装したのちに社長となって、事件の真相を突き止めるよう社員たちに"仕事"を指示する。
(という名の拉致監禁拷問殺人)

自分は社長と本気で思い込んでいる超おかしい男に監禁されたあげく、5回ミスすれば文字通りクビになり命を落とすと知らされ一所懸命に仕事する5人。
この特殊な舞台設定と、殺人鬼・レッドマン社長のキャラクター性の高さも相まってとても面白い。
退屈なシーンも一切無く、娯楽要素たっぷりで大好きなスリラー映画です。
ラストのレッドマン社長なんか本当にかっこよくて痺れる!

ちなみに始終真面目な雰囲気で話が進む。
アナベル達がオフィスからの脱出法を模索するかたわら連続首切り殺人事件の真相が分かっていく過程はサスペンスフルで目が離せない。
ただいろんな場面にツッコミ所が転がっているのでシリアスな雰囲気なのに不思議と笑ってしまう事が多数。

視力の悪い部下に眼鏡を用意してあげるレッドマン社長。
消臭スプレーをまいて部下の労働環境を整える責任感強い社長。
ひげ剃りを教えたり部下の身だしなみにも気を遣う社長。
頑張った部下を助ける理想の上司な社長。
狂ってるのに普遍的なコンプレックスを抱えてる社長。
監禁されてるというのにワード入力とか結構普通に仕事してる部下たち(という名の被害者)
危機的状況なのに結構普通に職場恋愛に持っていく部下たち。

などなどこの映画のツッコミ所は枚挙に暇が無い。
数多の人間が拉致監禁されている陰惨な現場にも関わらず、私達の日常となんら変わらない言動を取るレッドマン社長のギャップがシュールな笑いを引き起こす。
でもかっこいい。ラストは必見。

あとグロ描写も結構ありますがどれも間接的な描写に留まってるのでR18G指定にしてはマイルド。グロ描写のレベルはSAW3と同じくらいかと。
疲れてるときでも気楽に見れるスリラー映画なので是非見てほしい!オススメ!
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