まずは帝のアゴである。こちらを見るアゴありなむ。
童話のかぐや姫そのまんまの話だと知っていたので、オチも展開も知っている映画を観るのもなぁ、と思っていたのですが、もう終盤ボロボロ。姫の気持ちも、おとうさまとおかあさまの気持ちも両方わかっちゃうぐらいの年齢なものだから、どうしようもない運命にあらがおうとする両者が切なくて切なくてたまらなかった。
知ってる話でこれだけ感動させる演出力は素直に凄いです。
そしてラスト、いちばん涙を流させたのは久石譲の音楽でした。狂気すら感じる華やかな音楽に涙腺が決壊。素晴らしかった。久石譲やっぱすげえ!
ミカドのアゴと天女の空気の読めなさにはビックリしましたが、残された人間たちと債務のことを考えると胸がぎゅうっとなる切ない映画でした。
『かぐや姫の物語』を観て確信したのは『火垂るの墓』が高畑勲の異色作だって事です。オイラ、あっちはキライですの。