ベティー

変態小説家のベティーのレビュー・感想・評価

変態小説家(2012年製作の映画)
3.0
これは変態ではなく統合失調症の症状で心療内科、精神科の分野。
まあくだらなく笑えるコメディーを偽装した確信犯的うそ邦題ということでしょうかね。
猟奇殺人犯を研究する作家が何者かに狙われる被害妄想にとらわれる様。コインランドリー恐怖症という設定はおもしろい。昔聴いていた音楽をふと耳にするとその頃の自分にあった出来事が忘れていた記憶の底からふとよみがえることがありますが、視覚的にもそういうことはあるしな。この人の場合はコインランドリーがいわゆるトラウマになっていて服を洗濯できないという結構悲しい設定が興味深かった。
前半のキチガイ演技はなかなかすばらしいし楽しめた。

全体的には音楽と映像がおしなのかな。中身はすごく薄い。しかし、肝心の映像と音楽がなんか古くさくて、おしゃれな感じなのですが、それが絶妙のラインでださい方向に感じてしまった。ただださいとかかっこいいっていうのはその人のファッションとかはやりの周期みたいなのがあるから、たまたま最近の私にはださく感じた、というだけでたいした意味はないですが。違う時期にみたらかっこ良く感じる(た)のかもしれない。

サイモンファンなら必見か。一人芝居のような部分がおおいし。笑いはとくにないです。

おしゃれ演出なしでもっとどす暗い感じの雰囲気だったら好きだったかな。狂気っぽい一人芝居と音楽映像のおしゃれ感が打ち消し合ってしまっているような感じがもったいないし乗れない。もっと狂った男を暗い雰囲気で救いのない風に観たかった。

ハリネズミのシーンがすごく可愛い。ストップモーションアニメ?ってやつなのかな。本編よりそっちがよかった。
エンディングのこぎれいなまとめ方とか、どうなの?と思った。
ベティー

ベティー