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ヘルレイザー3のLuckyMOTOMIYAのレビュー・感想・評価

ヘルレイザー3(1992年製作の映画)
4.0
1992年、アンソニー・ヒコックス監督、ピーター・アトキンス、トニー・ランデル脚本によるホラー。

1987年のイギリス映画『ヘル・レイザー』に始まるシリーズ第3作目。

前作で滅び去り彫像の一部と成り果てたセノバイト、魔導士ピンヘッドさん、そう簡単にくたばる訳もなく、したたる血を吸収して覚醒復活、他方エリオット・スペンサー大尉なる御仁が登場、新人TVリポーター、ジョーイ女史の協力を得て魔導士との戦いに…云々といったお話。

前2作とは大きく趣きの異なる作品。時代性もあるでしょうが、製作国が英国から米国に移ったことによる地域性もあるかと。有無を言わさず孤高の道を突き進んだ2作から、観客の視線を意識した作品に変貌を遂げております。

ダグ・ブラッドレイさんが二役で八面六臂の大活躍、ピンヘッドさんのコミカルな台詞には思わず吹き出す場面もございました。90年代アメリカの作品でございます。

他方、クラブ「ボイラー・ルーム」でのご無双は、鎖の音と流れる血の映像だけで倍加する恐怖、演出の妙とはまさにこのことでございましょう。

「神様」と泣き叫ぶ一般大衆にピシャリと「人違いだ」なんておっしゃるピンヘッドさま、大好き。神も悪魔も「人」ではないですよね、なんてことも思いますが、それはさておき。

それから、教会に逃げ込んだジョーイさんを優しく介抱して「悪魔なんかおれへんのやで」と宥める聖職者、そこに現れる戦闘モード全開のピンヘッドさま。

ジョーイさんの反応が実に秀逸。「ほな、あれは一体、何やねん」と、悪魔全開のピンヘッド様を指差しキレる新人TVリポーター、ジョーイさん、大好き。演じるはテリー・ファレルさん、ご熱演でございました。
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