MitsuhiroTani

闇を生きる男のMitsuhiroTaniのネタバレレビュー・内容・結末

闇を生きる男(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ベルギー映画の素晴らしい実力を見た。
幼い頃受けた癒されることのない傷の為、主人公は自らの肉体に多量の薬品を投与し続ける。肥大化し鎧のような筋肉を纏う彼は、肉体的な強さが心の傷までも克服できると思う。
そんなある日、ある種の偶然が重なり、彼はあの忌まわしい出来事の当事者と再び向き合うこととなる。そして心に決める。もう一度、勇気をもってその相手らと向き合うことで、心の傷を克服しようと。
ところが時が経ち、相手は変わっていた。強さと恐怖の象徴だった男は見る影もなく、眩しいくらいに清廉の象徴だった女は年相応の汚れを身に纏っていた。そう、変わっていないのは自分だけ。
最早、男には生きる希望、暗闇を脱する機会はなかった。
なんと救いのない人生なのだろう。なんと切ないストーリーなのだろう。
MitsuhiroTani

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