みゆ

南の島の大統領 沈みゆくモルディブのみゆのレビュー・感想・評価

3.7
2020.06.28(126)
Amazonプライムビデオ・字幕


私は2006年の3月に新婚旅行でモルディブへ行った。モルディブは1アイランド1リゾートで、1つの島に1つのリゾートホテルしかない。故に宿泊者は島を丸ごとプライベートビーチとして楽しむことが出来る。とにかく大変に美しいところだが、私たちが行った時は、まだスマトラ島沖地震による津波の痕跡が残っていて、修復工事をしている場所もあった。

そんな訳で、モルディブには思い入れがあるのだが、このドキュメンタリーでは、主人公である当時の大統領モハメド・ナシード氏が、モルディブの地を地球温暖化から守るべく、ひたすらに尽力する姿が描かれている。

見ていると、国際政治のなんと難しく大変なことよ…と、ため息が出てしまう。インドや中国との駆け引きは、ハラハラして胃が痛くなりそうだった。

映画ではナシード氏が大統領になるまでが如何に大変だったかも、まるでフィクション映画を示唆するような出来事とともに紹介していて、それもとても驚いた。日中のモルディブの筆舌に尽くしがたい猛烈な激烈な強烈な暑さを知っているので、あの狭い独房でよくぞ生きていられたなと。あの独房入りだけで十分な拷問だと思うのに、更なる拷問まであったとは…

今作は2011年に公開されたのだが、ナシード氏は2008年から務めた大統領の職を2012年に辞することになる。これはナシード氏によると前政権の勢力によるクーデターとのこと。そしてナシード氏は政治犯として逮捕され、それを弁護し、最終的にイギリスへ亡命させたのは、かのアマル・クルーニーである。

まず、何も知らずに今作を見ると、とにかく地球温暖化を止めなければと、二酸化炭素排出量を下げなければと、ナシード氏側に傾きがちになってしまう。

ただ、これは私には分からないことなので、あまり強くは言えないのだが、地球温暖化に二酸化炭素排出量が大きく関係しているという説は、ある科学者たちの間では有力であるが、また別の科学者たちの間では疑問視されているので、それを踏まえて今作を見ると、なかなか複雑な気持ちに陥ってしまう。

ナシード氏自身も今作の中で言っていたが、医療や教育よりも、護岸工事と再生可能エネルギーにお金を費やすのは間違っているのかもしれないという考え方もある。

では現在のモルディブがどうなっているのか、海面上昇により沈んでしまった島や、または沈みつつある島があるのかどうか、それは何故かインターネットで調べても、なかなか出てこない。不思議なことに古い記事ばかりだ。

きちんと整理せずに思い浮かんだままに書いたので、何が言いたいのかまとまらず、とっ散らかってしまったが、環境問題やエネルギー問題について興味がある方には、お勧めしたい1本である。

まぁ…政治は難しいし、よく分からない。見ようによっては、原子力発電推進派が裏で糸を引いているとも考えられるし、そうではなく本当に二酸化炭素排出量が地球温暖化に大きく関わっているのかも知れないし、とにかく本当のことが知りたいなと、凡人の私は途方に暮れてしまうのである。
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