◆あらすじ◆
1984年、アイスランド沖で漁をしていた漁船が網が海底にひっかっかったことが原因でバランスを崩して転覆してしまう。漁師たちは極寒の海に投げ出され、次々と命を落としていく中、グッリだけが唯一、海岸まで泳ぎ切って生きのびる。社会の注目を浴びるグッリだったが、次第にそれが重荷となってのしかかっていく。
◆感想◆
実話を基にした作品となっており、極寒の海に転覆した漁船とその乗組員たちの顛末を描いたものとなっています。
ストーリーは淡々と事実を描いており、あまり明るさのないものながら、漁船の転覆に始まる壮絶な出来事の顛末はそれだけ衝撃的で、脚色の薄い分、より現実的に感じました。転覆後にあまりの寒さに次々と乗組員たちが動きを止め、静かに海に沈んでいく様子はとても寒々しく悲しかったです。そんな中、グッリだけが唯一、諦めず動き続けたので、彼が希望の光のように見えました。
グッリ生還後、その奇跡的な事実はテレビニュースになり世の中に知られるようになりますが、仲間を失ったグッリにはそれが重荷になっていきます。生き延びた理由を知るために研究者たちの実験につきあわされるグッリがとても可哀そうでした。
とにかく事実を丁寧に描くことに専念した作品としてその真摯さが伝わってきて、最後まであっという間でした。実話とは知らずに観たのですが、最後に本人のインタビューが映っていて驚きました。観て良かったと思います。
鑑賞日：2024年2月10日
鑑賞方法：Amazon Prime Video
