湿地のNozyのレビュー・感想・評価

久しぶりに凄いのを見た感じ

孤島で成熟したキリスト教世界観とグローバリズムの波という全く相容れない二つの間で、統合失調症のようになったアイスランドを湿っぽく陰鬱に描く秀作。

アイスランドの「すごい」ミステリーとして見るとがっかりするかもしれないけど、近代を経験しなかったムラ社会のリアルを見ようとすると面白いかも。（リアルは現実の生活の再現という意味ではなく根底"的"なものを捉えるという点で。だって、流石に現在北欧の一国に数えられるアイスランドの電気事情があんなお粗末なわけはないので。）