すとんこ

水のないプールのすとんこのレビュー・感想・評価

水のないプール(1982年製作の映画)
3.0
カナザワ映画祭にて鑑賞!

さえない地下鉄改札員がクロロホルムによる連続レイプ魔になるって話☆

レイプ犯を演じるはロックンローラー・内田裕也!!

代わり映えのない日常、刺激の無い夫婦生活に嫌気が差したのか、内から溢れ出す性衝動を押さえきれなくなった彼は、街を徘徊しターゲットとなる女性を物色、尾行して住みかを特定、夜に襲うのを繰り返す。

これは実際にあった事件を下敷きに作られた物語で、
・教師の名を騙ってのクロロホルム購入
・ドアの鍵穴や窓の隙間からクロロホルム注入
・女性の局部をポラロイドカメラで撮影
・コンドームの装着
・犯行現場で眠ってしまい逮捕
など本作で描かれたエピソードは事実であるらしい。

被害者女性を芸術作品のように扱ったり、レイプ魔が訪れるのを心待にしている女性もいたように描かれているなどさすがにそこは創作ではあるが、何の変哲も無いおじさんが凶悪なレイプ魔として街を徘徊しているという現実に薄気味悪さを感じる。

あと本編にはさほど重要ではない場面で原田芳雄さん演じる右翼系警備会社の社長さんが登場しますが、かなりの異彩を放っていて、サイコーでした☆

劇中で奥さんに「夜な夜な出歩いてナニしてんの?」と問い詰められるシーンがあるが、そのときの返答が衝撃的!
「街の見張りをしているんだ!(中略)これは政治なんだ!!」と一喝☆
わたくしも一度言ってみたいと思いました( ̄ー ̄)

プールのシーンやシャボン玉を飛ばしている不思議系女子のシーンなど、レイプ魔の心象風景が描かれるシーンが挟み込まれてやや混乱させられるが、実録犯罪映画ファンの方や裕也さんのロック魂を浴びたいという方にオススメな一本(* ̄ー ̄)
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