天然パーマのとおる

裸のいとこの天然パーマのとおるのレビュー・感想・評価

裸のいとこ(2013年製作の映画)
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南相馬市在住なので、舞台が南相馬市というのが気になって観てしまった。
個人的な地域への感情抜きに、この映画はちょっとひどい(笑)

東日本大地震震災直後の南相馬市。
借金に追われ東京から親族を頼り南相馬市に来た男が地域の女性たちと絡む。狂った登場人物たち。怪奇現象の多発。超能力を持つ女性。実在の商店街の路上で大麻を吸う若者が警察からも黙認されている状況。そんなわけあるか(笑)
風呂敷を広げるだけ広げ、意味深にいろいろと登場させたわりにほとんど意味もなく、結局最後は広げた風呂敷をそのまま放り投げて終わってしまった。準主役的な女優の超絶棒演技や質の低いカメラワークも合間って、サブカル気取りな学生が撮った自主制作映画という感じのクオリティ。

ここからは地元民としての正直な気持ち。
南相馬市在住の人間として個人的なことを言うならば、この支離滅裂なストーリーで震災直後の被災地を舞台にする必要があったのだろうかとただただ疑問に感じる。話題性だけで地域を選び、そこの人間をすべて狂ったように描くことに意味はあるのだろうか。大通りや、商業施設、明るい場所などを意図的に避けて撮っているのもわかり、暗く見せようという悪意も感じる。
大鶴義丹さんはたぶん地域の選定に関して思い入れはないんじゃないかな。隣町でも良いし、そもそも別の県でも良い。実情や住民の感情など調べなどせず、なんとなく認知度が上がった地域を使っただけという感じ。ちょっと地元の人がこれを観たら落ち込みそうだから周りに勧めることはできないかな。