トモたん

bird call バードコールのトモたんのネタバレレビュー・内容・結末

bird call バードコール(2005年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

3年前のある日突然起きた彼氏と親友の謎の事故。親友のミユキは命を落とし、彼氏のサトナカは姿を消した。癒されない心の傷、失った時を結ぶあの音色(bird call)。
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2005年制作
63分間の短い時間に見事に表現された世界。

思春期特有の危うさ、儚さ、、、

美しい景色、音楽、視覚的に表現されていく美しい言葉。

内容だけみると、かなりヘビーそーだけど、その美しい世界観がそれを感じさせない。

物語は、現在と3年前とを行き来するけど、映像の色彩で、青みがかった現在と赤みがかった過去とで表現しているので、混乱する事なく、すっと観る事が出来る。

主演の鈴木えみさん。壊れてしまいそうな位細くて華奢で、心は弱いけれど、可愛いらしい園子を好演。

親友役の奥田恵梨華さん。
ミユキという、重くのし掛かる辛い思い出と、そしてまた永遠に続くような絶望感、深い悲しみを抱いているちょっと不良っぽい女の子を見事に演じている。

そして、田中圭さんの生きるサトナカが本当に素晴らしい!!!!
大好き!!!

この頃の圭くんは、ほんっとに可愛くて、キラッキラで、THEいい子!って作品が多いけど、(←それもいいけどw)この作品は、それだけじゃ無い!!!監督ありがとう!(握手!!ガシッ)

そして、圭くんの唇が凄く魅力的に撮られてる!!
ミユキが2回、指でサトナカの唇に触れるシーンが出て来るんやけど、エロいシーンじゃないのに、凄いエロい!!!(←誉めてるw)

監督へのインタビューで、「田中圭くんの演技は?」という質問に対して「難しい役どころだったと思うんだけど相談して決めていくことを臨機応変に答えてくれるうまい人ですね。ナチュラルな人です。大好きです。」と、答えられていた。
昔から変わらないそういう所が沢山の作品に呼ばれてきた理由の1つなんだろーなー(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*

また、圭くんの撮影日数は二、三日のタイトな日程だったようなのですが、「相手役の女の子と色々話をしつつ役を探ってくれて時間がタイトな中助かりました」とも。
「すごいいい奴ですよ。」「お酒を飲んだら真っ赤になってかわいい子ですね。」とかもおっしゃって言たそうです。
いや、監督、(圭くんの事)大好きやな!ありがとう!(笑)

圭くん演じるサトナカは、BMX(自転車)にいつも乗ってて(学校の屋上とかでもw)、バスケが得意な、(何気に)女子からも人気がある男の子。そして、「インスタントコーヒーにバターを入れると美味しいよ。」とか、可愛いコトもサラッと言っちゃったりします。

↑↑↑
ここのコーヒーにバターのくだり。
園子とメールでやり取りするんやけど、文字に合わせて喋るサトナカのくっそ可愛いコト!
(*≧m≦*)

『バターの代わり、お次の候補はマシュマロです』(←サトナカのメール文)

(↑↑↑この『です』を強調した圭くんの『です』の言い方、ほんま大好き!!)


物語のkeyでもあるBMX(自転車)に乗るシーンが凄く良く出てくるんやけど、この時の圭くんの可愛いさったら。。。
(そもそも圭くんの自転車2人乗りシーン大好きマンの私には堪らないww)

放課後のBMXの後ろに園子乗せて2人乗りして遊ぶシーン。
乗れた?みたいな感じで気遣った後、(圭くんのアドリブ)目玉の親父みたいな声で「よっしゃ行くぜ!行くぜ!ばかやろぉ」って呟きながら2人乗りしてる…

いや、ほんま、殺される…
可愛い過ぎる…
( *˙ཫ˙*)ゴフッ

そして、園子とのキスシーン。
このぎこちない(←微動だにしない圭くんw)キス、最高ーーー!!
(ノシ`>∀<)ノシ バンバン

授業中、ノートの切れ端で作った手紙の交換。
↑↑↑
ちゃんと園子の手紙は、工夫して可愛く折ってて、サトナカの手紙は、4つにだけ折ってる!(←細かいとこまで拘りが!)

園子から
『一緒に海に行きたいね』
って言われて。。。

( 放課後、屋上で)

「サトナカ、大好き…」ぎゅっ
(海に行く)約束のスタンプ
「いち、にの、さん、、」ちゅっ
(↑唇にキス)

きゃーーーー!!!!
何これーーーー????
甘酸っぱーーーー!!!!
(ノシ`>∀<)ノシ バンバン

園子にキスされて、目を閉じるのに、途中でちょっとだけ開いちゃう圭くんwwなんかリアル〜wwwそして、その後目が合って、微笑み合うのん可愛いーーー!!!!
(ノシ`>∀<)ノシ バンバン

そして、、、もう1人。
ミユキとの音楽室でのキスシーン。

「自分を傷つけないと生きれない。
大大大好きな園子取らないで。
そのままの(素直な)自分でいられるサトナカの事が好き」ってミユキに言われて、一方的にキス。「これで園子の予約のスタンプは消えました」ってサトナカの唇を人差し指で、そっと触るシーン。

この時の、サトナカの何も言えなくて、でも立ち去る事も出来なくて、キスされても表情は強ばったまま…そして、ちょっとだけミユキを見て、また目線を外す…

めっちゃいい!!
めっちゃいい!!
めっちゃ好き!!
(ノシ`>∀<)ノシ バンバン

で、ろくでもないという父親がいるミユキの家に付いていくシーン。
ここのシーンがほんまに凄い!!!

父親に抗議するも逆に殴られ…
サトナカの唇の横が切れて流れている血をミユキは親指で拭う

ミユキに…
「園子の事は好きで私の事は好きじゃ無いんでしょ?」って言われて、何も言えず瞳が揺れ動くサトナカ。

「自分が楽になる方法…見つけないと」
とミユキに言いながら、(心の中で)何もしてあげられない無力な自分を責めて、悲しい色が宿ったサトナカの瞳。

この瞳マジで凄い!!!(拍手!!!!)

そして、ラストの園子と再開した時のはにかんだ笑顔…
もー流れたよ涙!ダムが決壊するかの如く!!さめざめと。

笑いたい時笑って、ムカついたら本気で怒って、そんな真っ直ぐに生きてたサトナカなのに、あの事故を境に想像出来ない程、辛い事あったんだろうな…

世間では、2人乗りして、同乗者を殺してしまった加害者扱いされたやろし…

体の自由も失って…

なのに、あの笑顔…
(サトナカほんまええ奴…)

前半の手紙と対比するような、メールのシーン。とても、良かった。
あの事故の真相を知った園子が、勇気を出してサトナカへメールする。

『一緒に海に行きたいね』

そして、次の日。サトナカからの返信。

あの日、あの授業中、やり取りしたあの文章で。

『連れて行ってくれますか?』
の園子の問いかけに。

(少しの間)

『はい。』

この辺の、サトナカの心の迷いや葛藤を、文字から伝わらせる監督、ほんと上手いな〜

その後、園子が打った『性格は今も変わりません。』の返信…
『ぼくは…すこし変わりました。』

そーやでなぁー
そら、そーや!!!
それでも、前向いて歩こうとしてるサトナカ!!
やっぱりエエ奴!!

ほんま、大好き!!!
(>ω<〃)スキ~♡

そして、レンタルなのに、メイキングも入ってた!!

めっちゃ可愛い!!!
めっちゃ元気!!!

サトナカについて語る圭くんの顔、なんかパンパンやけど、それも愛おしい!!
ププ━(〃>З<)━ッッ!!!

ほんで、最後のクランクアップの挨拶!!!
「あざ〜ざんざ△□✕。。。たぁ〜」
(↑ありがとうございました〜の筈)
(何ゆーてるか全然聞き取られへんwww)
ゞ(≧ε≦*) 爆笑

ほんま観て良かった!!
大好き!!
(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*

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『birdcall』完全ストーリー(備忘録)

「サトナカずるいよ…
私だけひとりぼっちにしてさ…」

3年前のある日突然起きた彼氏と親友の謎の事故。親友のミユキは命を落とし、彼氏のサトナカは姿を消した。癒されない心の傷、失った時を結ぶあの音色(bird call)。

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大学生になった園子(鈴木えみ)は、(鬱病治療の為)病院へ行く為、降りしきる雨の中バスに乗り込む。

乗客は自分ともう1人。

その乗客の携帯電話が鳴り、その着信音は、いつか音楽室でサトナカ(圭くん)と一緒に聴いたあの曲だった…

その乗客は園子に近づき鞄からある物を取り出した。

「これ、ミユキ(奥田恵梨華)があなたに返しておいてってさ」

その差し出された手にあった物は…

あの仲たがいしたまま返される事がなかった『birdcall』のペンダント。

ミユキが息を引き取る前に、姉に託した物だった…

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(思いは3年前へ遡る…)

園子は、口を開けて笑わない、声を出して泣かない、人の話を良く聞く、そんな大人しい性格の美しい女の子。しかし(それ故嫉妬やらなんやらで)高校の同級生の女子から『いじめ』を受け、心を患っている。(でも見た目は抗うつ剤の為か、ちょっとぼぉ〜っとしてる位な感じ)

園子には、大切な仲間が二人。それは、園子の彼氏サトナカと、ちょっと問題を抱えたやや不良系女子ミユキ。

ミユキは、子供の頃父親から性的虐待を受け、自分を傷つけ無いと生きれない『リストカット』常習者。(父親は蒸発中)

そんな園子とミユキの合言葉は『ラジャ』。

人生ラジャって言って運命受け止めて前へ前へ歩かなきゃ見えて来ないでしょ?新しい風景が。
『人生はさかのぼれば理解できる
しかし、未来は向かって生きなければならない』(哲学者キルケゴールの言葉)
ラジャ?

ミユキが、園子に言った言葉。

そして、彼氏のサトナカ。
めっちゃいい奴。

男子なのに「インスタントコーヒーにバターを入れると美味しいよ」なんて可愛い事を言ってくるBMX(自転車)とバスケが大好きな、女子にも人気がある可愛い男の子。

子犬みたいな可愛い笑顔で、いつも屋上で自転車に楽しそうに乗っている。

サトナカは、園子の事が好きだし、支えてあげたいと思っている。

そんな中、ミユキの父親が帰ってくる。
それは(壮絶な)過去を運命と受け止め、前に進もうとしていたミユキの全ての感情を奪っていく…

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(現在の世界へ)

病院から帰る為、バスに乗っていると、あの『birdcall』を手渡した乗客が乗り込んでくる。
そして、彼女の携帯から流れるあのメロディー。
隣に座ったその乗客は

「妹のミユキが好きだったメロディーよ…覚えてる?」

それはミユキの姉だった…
彼女はサトナカの事を激しく非難する。
「女たらしのサトナカって奴が、弱ってる妹のミユキに手を掛けた」
(彼女にとってサトナカは2人乗りして事故を起こし、妹を殺した加害者なのだ…)

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(再び3年前の世界へ)

(キラッキラな)サトナカと楽しそうな園子。

音楽室で教育実習生の弾くバイオリンを聴く2人。そして、ミユキは屋上で、その優しく、美しく、少しもの悲しいメロディーを1人聴いていた…

この時、サトナカと園子はbirdcallのペアのペンダントを実習生から貰う。

(birdcallは、軽くねじるだけで摩擦により鳥の鳴き声に似た音をだす。鳴らすと鳥を呼ぶコトが出来る。鳥笛。というモノ。)

大好きな園子を奪われていく寂しさと羨ましさからか、優しくてくもりの無いサトナカに心惹かれていたのか、(両方かな…)ミユキはサトナカに、自分を傷つけないと生きれない事を告げ、黙りこんだサトナカに一方的にキスをする。

園子は校内のバスケ場で遊んでいる時、サトナカとお揃いのペンダントを落としてしまい、それを拾ったミユキは返そうとしない。

そして園子はミユキのリストカットを責め、つい「親から貰った体を傷つけるのは良くない」と言ってしまう。(←園子はミユキの詳しい虐待の事は知らない)

「自分の生い立ちを分かって言ってるのか?」と激しい怒りと冷たい表情で問い詰めるミユキ。
気まずさから『ラジャ』と言ってしまう園子。その言葉に更に傷つくミユキ…

そして、3人の運命の日が訪れる…
園子は苛めている同級生に屋上に呼び出され、「死ねよ」と暴力を受け、保健室に逃げこんだものの、鬱病が悪化。病院で入院する事に…

一方、
園子の事は好きだけど、ミユキの事も突き放す事が出来無くて、揺れ動くサトナカ。

そんなサトナカは、ろくでもない父親がいるというミユキの家に一緒に付いて行く。ミユキが父親から性的虐待を受けていたと聞いたサトナカは、父親に抗議するも逆に殴られてしまう。

心の中で無力な自分を責めるサトナカ。

「園子ってさー、心の中で苛めた奴らを殺して埋葬してんだよ…ミユキも何かしないと救われないよ…」
「それって何か決断を私に求めてる訳?」
「自分が楽になる方法…見つけないと」と、告げるサトナカ。

その言葉は以前、園子もミユキに言った言葉だった…

「楽になる方法…その方法って人それぞれだよ…」

ミユキはサトナカの切れた唇の血を親指で拭って「ねぇ、サトナカ、ドライブ続けようよ…」と言う。

全て音が消え
その瞳には悲しい光が宿っている。

ミユキを自転車の後ろに乗せ美しい緑の中を走って行く二人。
そして…急勾配の下り坂…

切り裂くようなブレーキ音…

激しい蝉の鳴き声…

倒れた自転車と血…

(事故の真相ネタバレ)














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(現在の世界)

バスの帰り道。
乗客は園子1人に。
相変わらず雨が降っている。

エンジントラブルか、バスの運転手がバスのボンネットを開け、立ち往生している。

「お嬢さん、携帯持ち持ってますか?」

携帯を渡し、ふとその運転手の胸元の名札を見ると『里中』の文字。

その運転手はサトナカの叔父さんだった…
そして語られるあの事故の真相…

「足首は不自然に砕けていたよ…」
「どうやら自分で後輪に足突っ込んだらしい…」
「事故というよりも、あの女の子の心中だよ…」
「あの後…甥っ子の家族達は逃げるように、この土地離れて行ったきり、連絡が無かったんだけどね…」

サトナカがバスケの試合をする為に、久しぶりに、ここに戻ってくると伝える運転手。

そして連絡先を園子に渡す。
「会いに行きなさい。自分が強く成るためには人を励ます事だ。」


家に帰った園子は、あの時果たされなかったサトナカとの約束をメールする。

授業中、ノートの端を破って作った手紙。

『一緒に海に行きたいね』

そして、次の日、メールの返信が…

『それって、もしかすると
人のいない海のことですか?』

サトナカも覚えていた…

『連れていってくれますか?』

(少しの間)

『はい。』

『今度は本当ですか?』
『こころを消毒するんですか?』

『性格は・・・今も変わりません。』
『ぼくは・・・すこし変わりました。』

『会いたい、です。』
『同じです。
会いたいです。』

そして、、、
園子はバスケの試合を見に行く為、くるりと身を翻し走り出す。

緑の中、赤いワンピースを着て、自転車に乗って・・・

『birdcall〜約束~』歌)辛島美登里

バスケの会場、すれ違う試合が終わった人達・・・

よぎる不安、もう一度会える期待、よみがえるあの日、2人乗りしていた記憶…
自然と駆け足になる園子。

そして、、

はにかんだ笑顔のサトナカ。
手には『birdcall』。

状況は変わってしまったけれど、変わらないサトナカへの気持ち。

「サトナカ、大好き…」

(birdcall歌詞)
離れても会えるよ…
響き合う二人の…
birdcall…

(終)



2022.2.12

追記
ある一つの奇跡が起きて、原稿を見せて頂く機会があった。

そこで、映像を観てるだけでは気付いてなかった事が。

映像では蝉の鳴き声がとても印象的で、そちらに気を取られてたけど、『鳥の鳴き声』の文字が多く書き込まれていた。

確かに。
タイトルbird call やもんねw

bird call は鳥を呼ぶ笛だから、最後、二人を呼び会う、って事かな?と思ってた。
(それもあるとは今でも思ってるけど)

でも、あの屋上で両手を広げて飛びおりるミユキのシーンに『鳥の声』の文字。

勝手な想像やけど。。。

ミユキ=鳥 …?

生い立ちが不幸なミユキは、いつも曇天(嵐?)の中飛び続けてた。

そして、陽だまりの象徴のような
サトナカ=青空

青空を自由に羽ばたく鳥になりたかったのかな………

そして、友達の大切な物(サトナカ)、奪おうとしてごめん…って最後の力振り絞ってお姉さんにbird call託したんかな………

貴重な資料を見せて頂けて嬉しかったです。
心から感謝申し上げます。
(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ。:.゚ஐ⋆*
トモたん

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