このレビューはネタバレを含みます
実在する興行師の話で様々な困難を乗り越えていく様は良い話で、歌にとても感動した。体に何かしら他者と異なる人たちの歌は強いメッセージが込められており、視覚的にも内容的にも素晴らしい。
現代の多種多様な人物、LGBTなどの今まで奇異に見られてきた人たちが注目されている今、生き方について学びのある映画になっているとは思う。
ただ、実際の歴史があるため手放しに感動できない部分もあった。
バーナムは興行師として確かな実力があった。ただ、彼の倫理観は時代による面もあったかもしれないが、映画でも言われていたように下品といえる。また、サーカス団とは言うものの今で言う見世物小屋でしかなく、それを娯楽として提供していることに多少なりとも嫌悪感を抱いた。また、それを歪曲し美談として描いていることにも違和感がある。個人的には光の部分だけではなく闇とされる部分も表現していてほしかった。
しかしながら、身を隠して生きている人たちを明るい世界へ導き、裕福な生活を送ることができていたのは紛れもなくバーナムのおかげである。
いい面もそうでない面もあるものの、一つのミュージカルとして楽しめたように思う。
