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「モリゾ」という人物が持つ様々なトピック(マネとの関係、マネの弟との結婚、女流画家として印象派展にほぼ皆勤etc)を考えれば、幾らでも重厚で旨味のあるドラマを作り得たと思うのに、この作品は正直ちょっと薄く感じられてしまった。「芸術」でも「恋愛」でも「当時の女性の在り方」でもなんでもいいのだけど、とにかくそういう何らかの主題をきちんと掘り下げることを一切せず、先程あげた「トピック」のような部分を表層的になぞっているだけの印象。例えば、中盤まであれほど「結婚」にこだわっていたのに、よりにもよってマネの弟と結婚することはあまりにサラっと描かれるのは何故?この映画は、「説明しない美学」とは少し違うように感じた。