三上マナ

ロレンゾの三上マナのレビュー・感想・評価

ロレンゾ(2004年製作の映画)
3.8
猫のロレンゾは、ある日自分より尻尾の短い猫をからかったことにより、意思の宿った自身の「尻尾」と延々に踊り続けるハメになる。我慢の限界を超えたロレンゾは、尻尾をあらゆる手を使って殺そうと目論むのだが…

あらすじからわかる通り、ディズニーらしからぬバイオレンスな作品。ファンタジアの「魔法使いの弟子」にも似たトラウマを抱きかねないダークな雰囲気です。
溺死、圧死、轢死、感電死…尻尾を仕留めようとあらゆる手を試そうとするロレンゾの動きは割とコミカルなタッチで描かれるが、ゾッとしてしまうものばかり。終盤の展開でさらにゾクゾクッとさせられて、ラストシーンでのあの「アッ」という感じ、鳥肌ものです。チョイスされたタンゴの楽曲にもよく合っていました。
一見した時は怖さが大部分を占めましたが、2Dタッチなのにやけに立体感のある動きや、黒背景にネオンカラーを効果的に生かしたカラーリングなど、芸術的な見所も高い一本。たまに見返したくなる魔性のアニメです。
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