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男達の別れ98.12.28@赤坂BLITZのswimminのレビュー・感想・評価

5.0
1曲目のOh Slime、2曲目のナイトクルージングで、早くもクライマックスを迎えてしまったかのような最高潮の幕開け、そこからはずっと奇跡みたいな時間だった。ダブのリズムでゆらゆら揺れる音に、心地よく浮かんだり沈んだり。身を委ねれば世界が少し違って見えるから、音楽ってすごいね。泣けちゃうくらいすごい。

わたしはフィッシュマンズのIn The Flightという曲が大好きで、演奏が始まった時の感動も一入だったけれど、その時のMCで佐藤さんが「10年後はきっと変われる、って思ったんだけど、色々あるなあ、ってそんな歌です」的なニュアンスのことをいっていて、この曲がもっともっともっと好きになった。ああ、だからわたしはこの曲が好きなんだ、と妙に納得もした。そのあとのWALKIN IN THE RHYTHM、MELODYは意味がわからないくらい格好よくて昇天。LONG SEASONの演奏では身も心も音楽に包まれて、現実から切り離されてしまったよ。宙ぶらりんでここではないどこかに漂っているみたいだった。

”こんなに幸せで良いのだろうか?”とぐるぐると考えた夜、佐藤伸治さんがもうこの世にいないことを思って何度もヒリヒリした夜、でも何よりも、音楽の素晴らしさに感謝が溢れてくる夜だった。僭越ながらこれは日本の音楽史に残るライブだと思うのです。ありがとうフィッシュマンズ。
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