よ

ナショナル・シアター・ライヴ 2016「ハード・プロブレム」のよのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

今春の舞台「アルカディア」を思い出さずにはいられない。
多彩な専門用語が入りみだれるスピード感ある会話劇。その中でさりげなく散らばらされる説明や伏線。終盤にそれらを鮮やかに集約しながら、着地そのものは軽やか。なのに確実にこちらの感情を揺さぶって、静かで深い余韻を残す。
ラストシーンのある人物の行動が、たまらないなぁ。利己か利他か。価値を持つのは動機か行動か。あの行動の中にも同じ問いが潜んでる。
場面が進むごとに天井の光源がどんどん表情を持つようで。ただの明滅に意味を感じるのも人故、ということでしょうか。
なので、あれらを映す意味もよくわかるんだけど、欲を言えば場面転換の様子や、舞台全体を映す引きの映像ももっと見てみたかったな。
また会話を理解しようと字幕を追いかけるのに夢中になってしまったので、機会があれば今度はちゃんと役者さんの演技に集中して観てみたい。
よ