n0701

ソークト・イン・ブリーチ カート・コバーン 死の疑惑のn0701のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ロックンローラーの自殺。
よくある話だが、その裏にはいつも金や利権の話が付き纏う。

録音と証言を基に妻であり失踪の調査を依頼された探偵が再現VTRを作成し、指向性に合わせて物語化している。事実の確認と仮説の提起、報道が合わさって雑音になっている。

ひとつの方向性、つまり、自殺に見せかけた殺人を前提に動いている。

理屈は単純だ。
麻薬の異常摂取、その状態での不自然な自殺方法と現場に残された不自然な証拠、目前まで迫った離婚とその後の金の流れ、遺書の改竄、消された検視報告書と早すぎる警察の判断と不自然な警察の動き。

陰謀論を陰謀論足らしめる根拠がそこかしこに敷き詰められている。
日本でも尾崎豊が似たような年で似たような状況下で死んでいる。

事件が自殺か他殺か何てことは死者に聞くしか分からない。犯人がいて、あるいは共謀する者がいて、さらには事件を有耶無耶にする何らかの動きがあるとしたならば、真実は闇に葬り去られる運命なのかもしれない。

うーん。
麻薬患者ジャンキーたちの狂った血祭りに金の亡者たちがこぞって集まった臭い事件に見える。だが、注意したいのは、これはある特定の探偵に都合の良い証拠だけを拾い集めて繋ぎ合わせた事実の羅列でしかないということだ。言わば雑音。ニルヴァーナの猛々しい歌声には程遠い雑音だ。あるいは本来のニルヴァーナに近いかもしれない。
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