keroline

アメリカン・ゴシックのkerolineのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・ゴシック(1986年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

閉鎖的基地外系ファミリー映画。と見せかけて、アメリカ国内の保守的なピューリタニズムとリベラリズムの相違を表現しているように感じた。
グラント・ウッドの絵画作品”アメリカン・ゴシック”が元ネタになっているようだ。

舞台は、敬虔なキリスト教徒の老夫婦と中年たち(本人たちは自らを少年少女だと思い込んでいる)が生活を送る孤島。彼らはラジオやTVも持たず、外界と切り離された暮らしをしている。
主人公たちのセスナがその島へと不時着する事から物語が始まる。

出てくる子供たち?(中年たち)のキャラが濃いこと濃いこと。凄く濃い。
子供用のドレスを着て、ミイラ化した赤子を愛でるおばさん。
父親の体罰を恐れつつも女性を殺害してレイプするおっさん。
ブランコの縄を切って殺人を事故死に見せかけるおっさん。
そんな彼らを愛でる老夫婦。
無駄に演技が上手いせいでみんな気持ち悪い。

一方の主人公たちは、老夫婦の家に勝手に上がりこんで歌うわ踊るわ暴れるわ・・・
仕舞いには、老夫婦の生活にダメだしをしまくって険悪なムードになる。
世話になっている以上、他人の生活に口出しをするべきではないのだ。
ここが主人公たちの失点であったのだろう。
食事中の喫煙を注意されて逆ギレしたのもアカンかったな。
現在のアメリカの姿勢にソックリ。

この2つのグループが新旧の対比となる。
暴走した2つのグループは結局共倒れすることになる訳だが...
敬虔な父親が信仰を棄てた瞬間に撃ち殺され、子供を死なせてしまいトラウマを抱え続けた主人公が家族を皆殺しにする。

と、まあ皮肉な終わり方です。
keroline

keroline