このレビューはネタバレを含みます
未解決事件の犯人が野放しになっている世界の恐ろしさを知る。今だって同じ車両に乗り合わせているかもしれないし、隣の家の人かもしれない。そして犯罪を繰り返しているのかもしれないし、戸籍や顔を変えて普通に生活している者もいる。
理不尽だらけの世の中。
犯人が捕まっていてもいなくても被害者や被害者に関わる人達の傷や恨みが消えることはない。だからといって犯人を自らの手で殺めることもできない。
妹が殺害される映像を見て涙する牧村刑事(伊藤英明)には言葉を絶する感情が込み上げた。また、牧村刑事と曾根崎(藤原竜也)の執念が魅せた結末がすばらしかった。
「過去に深刻なトラウマを負った人間が、他者に振るうことってあるでしょうか」という曾根崎のセリフが伏線でもあり、人間の脆さを物語っていた。