MitsuhiroTani

ソード・アーチャー 瞬殺の射法のMitsuhiroTaniのレビュー・感想・評価

3.7
照れも、何の衒いもなく、ただひたすらに美しい武侠映画を撮りたいという想いが純粋過ぎて、映画を難解に見せている。本質的には、姉を救えなかった青年と、立身の夢叶わぬ老人クアンの自分探しの物語。
偶然出会った達人から武術を学び、その名を譲り受けて柳白猿となった青年、自ら主人となれないことを悟り、武を極めながら自らの主人を求め探し続ける老人クアン。武によってのみアイデンティティを語る二人が、武侠の時代の終焉を前に行き場を失う。
非常にスノッブに、枯れゆく武侠の美を追求する縦軸は傑作「グランドマスター」と路線が同じだが、如何せん美しき女性との恋慕の絡め方が稚拙。ウォン・カーウァイ監督との力量の差が出たようだ。
MitsuhiroTani

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