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Lights(原題)のアーのレビュー・感想・評価

Lights(原題)(1966年製作の映画)
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あまりにもピュアというか子どものような感性というか、「ボディビルダーの映像早回しにしたらウケる」「イルミネーションを撮ったらなんかビュンってなって綺麗やった」「地面の模様をカメラで撮ったらおもろい」みたいなプリミティブなのをダイレクトに作品として見せられている感じ。
誰でも当たり前にスマホで動画が撮影できて当たり前に映像の早回しができる現代で今さらそんな作品を提示されても「だからなんだ」という話なんだけど、そういった歓びは現代の我々にはもう得難いものだし、一方でひとたび作品の中に封じ込まれたその興奮はあるいは失われることがないのかもしれない。

恵比寿映像祭の特集上映ではマリー・メンケンの作品を5作上映したあとにそのジョナス・メカスへのリフレクションとして「サーカス・ノート」が上映されたけど、たしかに手法の面でメカス作品への影響はありありと見て取れるものの、マリー・メンケン作品にあった無邪気さやユーモアは感じられず、作品の向こうにまるで人柄が透けるかのようなメンケンさんの作品好きだなあという気持ちになった。まあメンケンさんが実際どういう人だったのかはしらんけど。
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