死にかけ

ぼくらの亡命の死にかけのレビュー・感想・評価

ぼくらの亡命(2017年製作の映画)
4.1
最後まで息をつかせぬ怒涛の熱量。
序盤からぽつぽつと編み上げていった不和と不条理が最後に激情となって爆発し、そっと終息する。どこまでいってもエゴイズム。たまらない閉塞感とやるせなさ!

排他的に暮らすテントのすぐ側には駐車場や民家があったり、音のざわめきだったり、テント暮らしなのに昇が外出時に服に消臭剤を撒いたり、樹冬に会う前にTシャツ着替えたり、日常と非日常の近いけど遠く、遠いけど近い感じや、透けて見える自尊心と落ちぶれ切れない弱さが愛おしい。

とても面白い映画でした。