映画おじいさん

ストームブレイカーズ 妖魔大戦の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

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絶対面白くないだろうと観に行ったら、そうでもなくて原題通りsurpriseしてしまいました。個人的にはチャウ・シンチーよりもデビッド・ザッカーに近いバカバカしさを感じて満足。ファミリー向けなので下ネタがなくソフトですけど。下品なのにつまらないセス・ローゲンあたりよりもよっぽど好き。

とくに好きだったのは、ライオン丸みたいな見た目のメチャクチャ強い妖怪が、猫ジャラシとか、狭い箱を見ると入りたくなるとか、猫の習性が弱点でそこを付け込まれるところ。文字で書いてもちっとも面白くないけど。

あと箸休め的に出てくる三蔵法師の俗丸出しのエピソード。主人公に助けを求めゼスチャーでコミュニケーションを図るが誤解されまくるとか。お婆さんの置引にあうとか年寄りの描き方も◎。

エンディングの内輪ネタ&内幕集も、セス・ローゲンがよくやるそれより余程好み。というか、全体を通して笑いの質が欧米や日本とは違うところが多く、そこが良かった。

主人公も関ジャニ村上(時折キムタクにも見える)を面白い人にしたような感じでジャニーズ系だけど、ジャニーズが苦手な私みたいな人にも好感度大なナイスガイ。

あと出番が少ないけど、土地神という割と重要な役でエリック・ツァンが出ているのに最後の最後で気づいたのは嬉しかった。
今もコンスタントに話題作に出演、『悪漢探偵』や『十福星』の監督としても知られるリビング・レジェンドなのに、なんで公開の際に宣伝的にスルーされているの…。

ゲスト出演的な馬役の俳優さんは向こうでは有名なのかな? 彼のことを知っていたら面白い、というような登場の仕方だった。

西遊記なんてもういじりようのない物語なのに、変にアレンジすることもなくファミリー映画の見本のような佳作に仕上がっていて、最近ハズレが多かった中国娯楽映画の中ではピカイチでした。