筆者とこの作品の作者とはほぼ同世代で、筆者も高校時代からビデオを撮っていたので、「メールの内容だけではなく、メールを打つ時間、待つ時間も写したら映画になるのではないか」という発想の凄さに驚いた。メールを待つ時間（『ユー・ガット・メール』）や、Facebookの友達申請した後の待ちの時間（『ソーシャル・ネットワーク』）を印象的に描いた作品や、LINEの既読が付くまでの時間を演出に取り込んだドラマ（瀬田なつきの『セトウツミ』）はあるが、メールでのコミュニケーションにどっぷりハマっている高校生自身がこういう俯瞰的な視点を持てるものだろうか。
20年後にこの作品を見ると、メールでやらかした高校時代の青臭い失敗が脳裏にフラッシュバックし、かなり動揺した。夜には、アダルトサイトを見ていたらブラウザクラッシャーに遭う夢を何年ぶりかに見た。
