れもなぎと恋を

日本侠客伝 雷門の決斗のれもなぎと恋をのレビュー・感想・評価

日本侠客伝 雷門の決斗(1966年製作の映画)
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いいとこが多いんじゃー!!!どこから拾えばいいんだー!!

惚れた女は別の男が好きだった…それでもやっぱり好きだから、お前の恋路をゆきなさい。お前が迷ったそん時にゃ、言ってやるよ。
「惚れるんだよ、うんと惚れるんだ」

どこにこんな最高メンズがいるんですか、浅草ですか、昭和の浅草に行けばいいんですか、、、。浅草6区にはこんな男がいるんですか。いるんですかー!!

「親父」と「おとっつぁん」は別なんですわ。高い頬骨、眉毛育てたじいさんは、背中を押したり叩いたり、ばかをやるなと掴んだりしてくれるわけだ。おっと、屋台の親父も忘れちゃいけないよ。コップ酒の揚げ物屋、祭りの時には陰ながら客を呼んでくれるんだ。

女の生き様の話。買われたり、後ろで微笑んだり、男を待ったり、お燗をつけたり。今はそうじゃないよ、やっちゃいけないよっていうのは言うまでもないけれど、その戦い方は綺麗だよ。干支に馴染んだ体の動きは、ぶきちょな太眉野郎どもなんかよりずっとコシがある。ひょんなことじゃ曲がんないよ。いなせな生き物なんだよ、女はどこにいても、そこで生きていく生命力があるんだよ。

バカって言っちゃいけないんだけど、死んだ人には言っていいんだよ。死んだ奴らに浮かんでくる、なんで逝っちまったんだってやるせない気持ちを、バカって言っていいんだ。

今回はミッションがあるタイプ。ちょくちょく権利書奪還とか、成敗以外になんかあるんですが、今回は浅草に芸を届けなきゃいけないから一味違ったね!「皆様に支えられ!」ってよく使う言葉だけど、こんなに重みがあるんだね。わっち知らなかったよォ。

着物のポイントはなんといっても浴衣です。というか「白の着物」。白い着物は特別なんですよ、嫁に行ったり死んだりするのはもちろんだけど、今回は背景が暗いから、野郎どものハッピは土地に馴染んだヒトと場所のちながりになるんだな。ポイントは下にきてる白い浴衣。温泉地みたいなやつ。あれはね、もうね、生きてる人間の方が亡霊みたいで最高ですね。藤純子も着てますよ!!秋の紅葉が流れる最高の着物。

ずっと手に汗握ってたし、ずっと嗚咽を出していた。蛇目傘の使い方!みんなああやって使うんだよ!これがジャノメの使い方だからね!!ジャノメには隠れてドスを構えるんだよおおお!!!