highland

月夜の晩にのhighlandのレビュー・感想・評価

月夜の晩に(2001年製作の映画)
5.0
Velved Underground「Sunday morning」をミュージックビデオのように使い、独自の世界を表現したアニメーション。快楽天とかで当時連載されてたokama先生のマンガそのままのような世界観だ。描写は断片的で、特に際立ったストーリーはないが、音楽と噛み合ったアニメーション、動画(作画)の美麗さと特効、美術で見る者を引きつける。
元はOVAオムニバス作品の一つとして世に出たが、現在Youtubeで監督本人が動画ファイルをアップロードしており、全編視聴することができる。

月夜の晩。都会の街中、ステージ上で歌うたいの女の子が、質素な衣装に裸足で歌っている。場面変わり、女の子は素肌にオーバーオールのかっこうをして、帰り道、黒マントで長髪の男をみとめて声をかける。夜桜が散っており、街灯の下、ふたりが見上げるさきにはブレードランナーのような巨大な広告船。日中、女の子は灯台の見える海沿いのベンチで、蝶ネクタイをつけたギター弾きの男の子の演奏を聴く。親子連れの子どもの方の女の子がそばにやって来て、男の子にコインを恵んですぐに去っていく。夜中になり、屋根の上でやはり演奏を続ける男の子に、傍で聴く女の子。二人が眺める先には明るい月に照らされた海の景色が広がっている。夜空を飛ぶ黒マントの男、海から突き出た城の尖塔に着地。その中では歌うたいの女の子が幽閉されたカリ城のような部屋があり、月の光が差し込むなか、椅子に坐り拘束された女の子の足を男は舐める。日中、黒マントの男と歌うたいの女の子は自動車に乗って荒野を疾走している。乗っていたバイクが炎上したらしく、ギター弾きの男の子が道端でヒッチハイクをしている。男の子が乗り、車の乗客は三人に。車が停車し、青空の下休憩している三人、男の子は望遠鏡で何か見つけたようだ。夜中、大きな満月のかかった空の下で黒マントの男はロボットに白い花を渡したのち、ロケットに乗る。歌うたいの女の子がベンチの上で目を覚ますと傍にロボットが立っており、男から受け取った白い花を女の子に渡す。女の子は少し驚いたが、花をそっと大事そうに手に取る。すると花がきらきらと輝いた。ロケットは夜空の彼方に飛び去っていき、夜桜の散るなか、寝ている女の子をロボットは抱きかかえて帰って行く。
highland

highland