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Palmipédarium(原題)のものレビュー・感想・評価

Palmipédarium(原題)(2012年製作の映画)
4.0
おもちゃの鳥を引く少年は、水面の鳥の輪に入らず足元に寄ってくる鳥と出会う。
ある日、少年は父親の狩猟に同行することになる。銃を使える訳ではなく枝を振り回し、鳥に似た声を出す笛の使い方を教えてもらいながら2羽の収穫を手に家路に帰る途中、羽がなくいびつな嘴の奇妙な鳥に出会う。飛ぶ鳥を見上げ腕を振る鳥に動揺しつつ家に帰る。
翌日家を出ると奇妙な鳥を犬がくわえてやってくる。情が湧いた少年は母親に気づかれないように鳴き声をあげる鳥の嘴を押さえ、餌を与える。
心の優しい奇妙な鳥は自分に首におもちゃの紐をつけるが、おもちゃとしてではなく分け隔てなく鳥として扱う少年は、不器用ながら鳥に色を塗って足に水かきをつけ、体に羽を刺す。
鳥に似た声を出す笛を鳴らしながら走る少年の後ろから追い越した鳥を、立ち止まって見つめながら銃に見立てた枝で撃つ真似をしておわる。

命を奪う狩猟は子供には危なっかしく残酷な一面があるが、飛べない鳥の命まで奪わないという一種モラルを覚えるような精神の成長を垣間見ることが出来る。
それと奇妙な鳥自体が少年自身を表していて父の背中を追う、憧れと現状のギャップという見方でも面白い。
10分強のサイレント映画だけど印象深くアニメーションも美しい。
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