あやと

シークレット・ルーム/アイ'ム ホーム 覗く男のあやとのレビュー・感想・評価

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当たり前だと思っていたこと、自分がやらなければいけない役目、自分の感情、プライド、慮ること、甘え、そういう人生のしがらみから自分を解放したときに何が残るのか?自分にとって大事だったものは何か 自分を取り巻く鎧を全て取っ払ったときに、それでもなお手放したくないもの、守りたいものは?

人間を敢えて言葉で表現するなら、"思考することによって欲望と理性を持った生き物"だとするなら、この作品は"思考することによって欲望と理性を捨てた人間が思考する欲望と理性を持った人間を監視する"、言い換えれば"思考する生物が人間という生物を観察する"、要するに"他人に投影した自分を客観視する"ことでもある
実際この作品も主人公の最初と最後で物事に対する捉え方が変化しているのが描かれている

自分を見つめ直して、最後に感じたことは一番傍にあるものを大事にすること 当たり前のようでいて、実際にそれをできている人がどれだけいるんだろう

描きたいものを描くために不利な環境、状況はご愛嬌なのはわかるからこれはこれでいい気がする むしろその方がまとまりもいいし、見せたいものが浮き彫りにもなる ちょっと気持ち悪いけど、これが独特さも作り出してるのかも

欲に生きることは自分が見えなくなることでもある それを一度その部分をぶっ壊して自分を引っ張り出す、というような作品

どう言われたって構わない 自分が大事にしたいものがわかったのだから、その中で一番いい選択をしていくだけ 真っ新な分選択肢も多く、分かり易いから大丈夫 最後の切り方がいい塩梅に観てる側に投げかけてくれる
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