高熱のときに見る夢

グリンゴ 最強の悪運男の高熱のときに見る夢のネタバレレビュー・内容・結末

グリンゴ 最強の悪運男(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

あんまり善人が報われない現実で生きているから胸のすくような想いができる映画。キャッチコピーには「正直者以外馬鹿を見る」とあるが、その二項対立よりも善悪の揺らぎが描写されているように思う。悪い人もいるけどやっぱり全員、ちょっとだけ良い人だ。
「世の中は悪くないけど悪い人もいるわ」という台詞が響いた。
残念ながら、(バレない限りは)悪事が美味しいことには変わらないし、悪人が1番楽しいとすら思うことに変わりはない。自分の倫理を信じてあげたいときに見ると元気になれるのでは。
ハロルドの嫁は、所詮はひとりで幸せになれない人だ。旦那の次に不倫相手に未来を委ねるなんて。実直な旦那は太っていた時の自分のことを見つけて、愛してくれたのに。
ただ、役職やお金が魅力のひとつっていうのは分かる!簡単には手に入らないものだし。分かるけど、どちらも灰になる時には全部失うではないか。
ラストシーンにテレビの前にいた、やけ食いで太ったらしき嫁は哀れだった。
エリーン、知的美人に見える時と下品なビッチにしか見えない時があって全部込みで良い。品のない不二子ちゃん。七転び八起きって感じの人。
時々挟まれるゴリラなどの小噺が印象的。監督の趣味かな。「肥満」が「報い」「嘲笑の対象」として描かれているのは個人的に引っ掛かった。