テリー

クマ・エロヒームのテリーのレビュー・感想・評価

クマ・エロヒーム(2018年製作の映画)
3.5
シネマ・ロサのレイトショーで再見。
以前、ユーロライブで見た時は、作品の求心力がとても弱く感じ、集中してちゃんと見ることができなかった。

劇場で改めて見ると、しっかり「映画」として成立していたことに驚く。
スクリーンで見ることで、作品の魅力が引き立てられ一つの作品として完成した。

この作品は出産制度や近未来という飾りは多いが、単純に「男と女」の映画なのではないかと思う。

エマが純粋にアユムを愛しているのに対し、アユムがそれに応えきれない姿は見ていて苦しかった。特に精子注入を行うシーンなどは不快感マックスで、男の身勝手さ、傲慢さがよく出ている。
それに対し、エマの表情はとても気高かった。アユムへの純粋な愛を感じた。
いつの時代も、男は女に勝てないのだと思う。

ラストシーンも、この先2人はどうなるのかという想像を働かせ、余韻を残してくれた。
粗々しさは多分にあるが、監督のこだわりを感じ、次回作を見たいと強く思う。
テリー

テリー