tabi

ランガスタラムのtabiのレビュー・感想・評価

ランガスタラム(2018年製作の映画)
4.1
NTR Jr.主演のASVRと共通するところも多く、80-90年代のインドの地方自治や法治主義は脚色されているところはあれど、闘争の時代だったんだろうなと推察。
どちらもテルグ映画の一類型を辿っているけれど、あちらは圧倒的ヒーロー映画なのに対して、こちらはもう少し繊細、詩的で主演の二人の色の違いがよく分かる。
最後のチッティの表情がとても重い。

話や劇伴の切り替え方、割と唐突に差し込まれる音楽パートなど、普段なじみのある映画のリズムや作法とは違うので、観ていて少しひっかかるところもあるけれど、それを補ってあまりある映像や人物描写の作り込み。そこにちゃんとチッティの生活があって、主演の演技が評価されたのもよく分かる。

映像は全編に渡ってとても好みで、特にレコードダンスのパートは曲調とともに非常に好み。ここだけでもまた観たい。

冒頭の音楽パートは雄大な自然、住民の生命力を感じる祭りの描写、明るい曲調でそれだけでもすごく良かったけれど、歌詞がとても印象的で日本語訳がついてくれて本当に良かった。刺さる。途中の劇伴も同じメロディのアレンジが繰り返されるので、舞台の人形という歌詞がずっと頭を過ぎる。
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