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プロジェクトX トラクションのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2023年のアメリカ/中国の作品。

監督は「エクスペンダブルズ ニューブラッド」のスコット・ウォー。

あらすじ

エネルギー不足が深刻になり、原油を奪い合う世界、治安部隊を率いるルオ司令官(ジャッキー・チェン「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」)は弟を殺された原油強奪グループの元傭兵のクリス(ジョン・シナ「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」)とひょんなことから手を組み、原油プラントを狙う武装集団に立ち向かう!!

最近、ようやくジャッキーの有名主演作「ラッシュ・アワー」をはじめて観て、それなりにジャッキー熱が高まっていたのと、もう観ちゃったけど(そんで結構トホホな作品だったけど笑)、「エクスペンダブルズ」の最新作の監督の過去作を鑑賞前に観ときたいなと思い、鑑賞。

うーん、まあまあかな。

お話はあらすじの通り、舞台は広大な砂漠。どうやらエネルギーが枯渇している世界で、そこで治安部隊が守る原油?石油?を強奪犯が奪おうと攻防してる世界って感じなんだけど、まぁー、そんな攻防が描かれる序盤は間違いなく「マッドマックス 怒りのデスロード」フォロワーって感じ。

広大な砂漠に、爆走する攻撃的な見た目の車とそこから発射される銃火器、そしてその車に乗る、いかちータトゥーのスキンヘッドの悪者とまぁー、マッドマックス笑。

ただ、単なるマッドマックスの二番煎じではなく、輸送するバスに強奪犯が飛び乗っての迫力あるバス内バトルとか、そこに至るまでのテンポの良いカメラワークのカーチェイスのスピード感とか、さすが「エクスペンダブルズ」最終作の監督に選ばれただけあって、監督のスコット・ウォーの手腕がそれなりに光る。

で、中盤からはダブル主演の出ました!ジャッキーと「ワイスピ」に「ピースメーカー」に「タートルズ」吹き替えに、おまけに「バービー」と絶賛売り出し中の元WWEの俳優路線レスラーのホープ、ジョン・シナによる本来なら敵同士のバディ感が楽しい!!

元々はジャッキーは治安部隊でシナは成り行き上強奪犯と敵対するもの同士だったんだけど、シナ演じるクリスの弟ヘンリー(アマデウス・セラフィーニ)が実行犯で敵のボスのオーウェン(ピルウ・アスベック「サマリタン」)に殺されたこともあって、オーウェン率いる石油を狙う武装集団をぶっ倒す!という利害が一致してタッグを組む。

で、初対面時はキャッチボールを通じて「砂漠で何してた?」「何もしてねぇよ!」と一触即発状態なんだけど、そこから弟を殺された直後なのに養ってる孤児たちの前でチョけるクリスを前に「俺も!」と一緒になってチョケ始めたことで意気投合、なんだかんだでタッグを組む(保育者目線でいうとこの場面で子どもの前でチョける時間が長すぎる。いくら大人が面白い行動をとってるとはいえ、子どもも飽きて笑わなくなるくらいグダグダと長い!笑いどころも少ないし笑)。

つーか、やっぱこの監督、エクスペンダブルズ最新作のラストのオチといい、何気に人の命なんとも思ってないサイコ気質あるよな笑笑。

で、その後、武装集団がクリスたちのいる村に攻め入ってくるんだけど、そこからはジャッキーはジャッキー・アクション、シナはレスラー仕込みのパワープレイでそれぞれのポテンシャルを活かした戦い方で魅せる。

シナに関しては敵を投げ飛ばすとか持ち上げるとかやはりロック様とかバウディスタみたいな剛力っぷりでそれはそれで楽しいんだけど、やはり特筆すべきはジャッキー・アクション!!実年齢70も差し掛かろうという老年なのに敵の足元にシュバババッと駆け込んで、ライフルを奪って殴る小回りプレイだったり、パイプの上をおっととしながら複数の敵と足場を転換させながら俊敏な動きを見せたりと動き一つ一つに派手さこそ少ないけど、やはり長年アクションスターとして第一線を活躍してきただけあって、やっぱすげぇ。

特に中盤のあだ名がはっきりしないタトゥー兵士との泡だらけバンジーバトル!!基本コメディなので絵面から見てもバカバカしさこそある泥試合ながらも(ただ、新鮮)それを見た目おじいちゃんのジャッキーが本当に一生懸命チョケながらやっていて、うーん…めっちゃアクションスターとしてのプロ意識を感じた。

やっぱスライ然りシュワ然り、中年になるとどこかこういうB級の作品だと「省エネアクション」が目立つのが不満だったりするけど、ジャッキーに関してはちゃんと主演のアクションスターとして未だにアクションもちゃんとやるし、こういう演じ手が大変なアクションもやっちゃうというのが普通に尊敬できる。マジで見習うべきアクションスターだわ。

加えて、シナとのチームプレイもいい感じで村襲撃の共闘シーンではハンドサインの解釈の違いでワーワー言いつつなんだかんだ相性抜群だったり、タトゥー兵士とのバトルではシナのマガジンをジャッキーが代わりに装填するなどの連携プレイがあったり、そしてなんといってもパイプ上でのバトルでジャッキーが地面に落ちそうになるところをシナが鉄柱みたいなでっかい柱で背中を支えてその腕力で押し戻して足場に乗せるところとか、なんかフレンドパークみもあって面白かった。

絵面的の凸凹感もなんだかんだバディものとして機能してるよな。

クライマックスは敵の運転するタンカー大爆発シーンだったりと何気に見どころも多い作品で、エクスペンダブルズ4はちょっとイマイチだったけど、なんだ普通に楽しい作品撮るじゃん!スコット・ウォー。

まぁなんつってもジャッキーの最新アクションも堪能できる本作。ジャッキーには齢70超えても変わらずにアクションを観ていたいなぁと思わせてくれます。
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