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太陽は光り輝くのpipiのレビュー・感想・評価

太陽は光り輝く(1953年製作の映画)
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プリースト判事の人間味が心を揺さぶる映画。心臓を動かすために朝からお酒飲んだり、ライバルのメイデューがいる裁判にはわざと遅刻したり。真っ当な正義感とも違う。でも、南北や黒人白人、職業に対して差別なく皆にひとりの人間として向き合う、基本的な人としてのあるべき姿が判事を好きになってしまう理由かな。

南軍退役軍人会のおじいちゃんたちもそれぞれがとてもキュートで、事情のあるルーシー・リーを皆が娘のようにかわいがるシーンもすてき。

USが無実の罪にかけられ留置所に収監されたシーン。
恐らく隣地区の白人住民たちが押し寄せてきてるのに対して、人々が恐ろしいものを見た顔をして逃げて行くんだけど、それがすべて黒人。この映画では判事含めて比較的黒人と心打ち解けているように見えるけど、この黒人が怯える姿は、迫害や差別が色濃く残っていることを暗示させているように見えた。

映画のラストで、これまで額の汗を拭ってきたハンカチーフで、涙を拭うシーンが印象的だった。

ケンタッキー州における南北戦争や奴隷制度について少しだけ知識は求められるけど、お気に入り白黒映画に決定です。
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