成人した子供を2人持ち、離婚して長くひとりの人生を淡々と過ごす明るく前向きなグロリアの日々と、ある日彼女の前に現れた1人の男性との間に芽生える恋を中心に描かれたストーリー。
周囲の親しい人や家族への気配りを忘れず、自分の日々を淡々と生きる姿は、いくつになっても誰にでもある人生そのものなだけに、ストーリー中に悲しいことや辛いことが起きても、ついつい自分のことのように観入ってしまった。
グロリアのすごいところは、家族にでも恋愛相手にでものめり込まないところ。潔いと言えばそうなのかもしれないが、心のどこかでは、深い寂しさの種はきっとあるのだろう。その種から芽が生えて、人生に寂しさを自覚させてしまうところまで来てしまったら、人は孤独を初めて知るのかな、と思った。その抑止になっているのが、元気に健在しているグロリアの母だ。いくつになっても、自分の足だけで生きていると思っていても、家族の存在は大切にしたいものだ。
