イチロー51

ナイル殺人事件のイチロー51のレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
3.5
ミステリーの女王アガサ・クリスティによる名作「ナイルに死す」を、同じくクリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」を手がけたケネス・ブラナーの監督・製作・主演で映画化。

ケネス・ブラナー、ガル・ガドット、アーミー・ハマー、エマ・マッキー、アネット・ベニング、ラッセル・ブランドほか。

本作も有名なミステリー作品故、大半の方は結末を知っているので、再映画化は難しいと言える。

実は「ナイルに死す」は、未読・未見だったので、新鮮な気持ちで観れました。

冒頭の主人公の若かりし頃の戦争シーンは余計でしたが、前半は丁寧に登場人物を紹介し、実際に大きくストーリーが展開するのは後半になってからで、 これはミステリーの王道ですね。

愛と欲望の深さが悲しくも切なく、人間の持つ狂気がリアルに描かれている。 裕福であることが幸せには繋がらず、時に争いや憎しみを生み、金の亡者の標的になってしまうのも、皮肉で悲しい運命だと感じた。
サスペンスフルな展開と、濃厚な人間ドラマを楽しめる作品でした。

只、原作と前作を知っているアガサ・クリスティファンはどう感じたのだろうか?
1978年の作品は原作を忠実に再現しているらしいので、そちらを鑑賞したい。