おかだ

アーミー・オブ・ザ・デッドのおかだのレビュー・感想・評価

2.0
ケイパー×ゾンビを試みたクソデブ映画


ザックスナイダーがまたゾンビ映画を撮ったということで。
ロメロがおっ建てたゾンビ映画の金字塔「ゾンビ」のリメイクである「ドーンオブザデッド」以来ですか、なんとなく鑑賞しました。

さてあらすじは、ゾンビを閉じ込めて封鎖したラスベガスで火事場泥棒を目論むアウトローという、全く面白くなさそうなプロットで、上映時間は驚異の150分。
辛かった。


まずは真田広之にけしかけられたヴィンディーゼルとリーチマイケルの中間みたいなおじさんがモタモタとメンバーを集めて強盗チームを結成します。

メンバーは、アグエロに似たゾンビ殺しYouTuberや、やる気のないフランシスマクドーマンドみたいな佇まいの女整備士など壮観。
そしてなぜかデカ車庫で作戦概要の説明を受けるチーム横並びの絵面はほぼワイルドスピード。

さてそんなわけで、とにかく人が多い上にストーリーテリングは鈍重。

まぁストーリーがダメなことは織り込み済みなので良いとして、じゃあジャンル映画として楽しめる部分があるかと言われると断じてノー。

モッテラモッタラと下手くそなケイパームービーもどきの前半がようやく終わって突入したラスベガス編では、キャラクターとゾンビの顔のアップショットや謎のピンボケ映像の連打が気持ち悪く、街全体からしてプレステのグラフィック感丸出しで面白みがない。
そんなこんなでまずはゾンビ映画と言いながらも緊張感は皆無。これは大したものである。
それから真昼間に突入するもんだからせっかくの荒廃したラスベガス描写もまったくもってつまらない。
唯一擁護コメントが見られたアクションに関してもとにかくひどいもので、先述したピンボケの特徴的な撮影がここでも多用されており、とにかく見づらくて不愉快。
なんか、せめて舞台を夜にするとか、雨を降らすとか、ちょっとぐらい映像的な工夫をしなさいよと思いながら、バカに明るいカジノ内でやけに見づらいスローモーションを絡めたパートを見て溜息をつきました。

そもそもゾンビの恋愛とかゾンビとの肉弾戦とか、誰が見たいんやそんなもん。

ほんでゾンビが家族を作るとかコミュニティを作るとかいった今作で新たに見られたその辺の設定も、まるで活用されずに宙吊り。
別に面白くなさそうやからええんやけど。

一応あとはヘリの脱出パートや金庫開けなどの要所でもおよそサスペンスとは言えない茶番劇が繰り広げられており非常に残念です。


あとそういえば、序盤の横柄な軍人に象徴される体制による圧迫と閉じ込められる庶民という構図。極め付けは検温による緊張感。これ、もしかして昨今のコロナ禍におけるあれこれをゾンビというモチーフに落とし込んで寓話的な語りをやるつもりなのかと一瞬思ったところ、そんなことは全くなかった。
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