RyoSato

だれもが愛しいチャンピオンのRyoSatoのレビュー・感想・評価

4.2
単純なストーリーだけど、すごく笑顔にさせられた。

アミーゴスのメンバーは、実際の障がい者が演じていて、600人の中からオーディションを行ったのだから驚き。

当たり前ながら障がい者も皆それぞれの仕事を持ち多様な暮らしを営んでいるが、社会生活の中で障がい者と接する機会の少なさ故に、彼らを意識しながら生活している人は少ないと思う。この映画は2018年スペイン興行収入1位であることから、スペインのそのような環境で生きる人々の価値観に多少なりとも影響を与えたと考えられる。それもこの映画が、障がい者である登場人物一人一人を愛されるキャクターに仕立て、コミカルでハッピーなストーリーであったがためであると思う。

テーマは、障がい者バスケチームと時を共にする過程で築かれる信頼関係とマルコの成長であり、互いに恐怖症を克服する描写や、決勝戦後に喜びを分かち合うシーン、そして最後の別れの掛け合いなど、終始ハートフルで心温まる映画だった。

映画内では、2000年シドニーパラリンピックでのスペイン替え玉事件についても触れられており、当時のチームの実際の障がい者の1人である選手が敵チームの一メンバーとして出演しているらしい。コメディー映画ながらも、こういった実際の事件も絡めることで映画の持つメッセージ性を強めているのも、この映画の素晴らしさに拍車をかけている。
RyoSato

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