『昔々あるところに
人間が鉄の翼で空を飛び
ヒレをつけて海を泳ぎ
ガラスの板を操って恋の歌を聴いていた頃
孤独で幸せな女がいました
物語を愛し自立していたからです』
「創作の物語は
いつか科学の語りに取って代わられる」
「紅海に沈み2500年漂った」
「眠る以外に2500年も何を？」
「ジンは眠らない」
「希望は怪物だ
私の心を弄ぶ」
「ひとつの願いも思いつかない
３つなんて無理よ」
「人間も天使もジンも
欲望のためにチャンスを無駄にしない
願わないあなたは嘘つきだ」
「人間が塵の集まりであるように
ジンは小さな炎の集まりだ」
「どうして誰かの全てを愛する事が
間違いなんだ？」
「願いがある」
「心からの願い？」
「ええ
あなたを愛したい
そしてあなたに愛されてみたい
シバの女王に向けた情熱や
天才ゼフィールへの愛情が
私も欲しい」
「ME?」
「YOU」
「YOU?」
「ME」
「ジンの楽園では物語を語り合う
ジンにとって物語は呼吸
大きな意味を持ちます
それは私たち人間にとっても同じです」
「アリシア
私の居場所はここだ
この頭のノイズだって消してみせる
君とピクニックに行くんだ」
「願いがあるの
この世界があなたにとって相応しくないなら
あなたの世界に戻って」
