春江水暖~しゅんこうすいだんの宮川アパート大上映会のレビュー・感想・評価

山水画。山と河。変わることなく存在する風景と絶えず流れゆく水。生きること、老いること。思想。生活。

思い返せば、土地、というものの力をすっかり忘れていた。忙しなく仕事をしスマホの画面ばかりを見つめて、いろんなものの変化や不変を見逃していた。絶えずそこにあり、自分もその中にいたはずが、気づけば疎外されていた。

人の想いはすぐに消えて、やがて街も変わりなくなって、山や河もゆっくりと形を変えてゆき、そうして何年も何年も時が流れてきたのだろう。それを直観する感性を失っていたことに気付かされた。