マーボー

STAND BY ME ドラえもん2のマーボーのレビュー・感想・評価

STAND BY ME ドラえもん2(2020年製作の映画)
1.5
第二回イオンシネマフリーパス映画マラソン その四にして最終章
最後にこれを選んだのは失敗だったかも知れんが、この上映回しかなかったゆえ致し方ない。
SBMドラえもんの1は観てないし、原作も読んでない1本の映画としての感想を。

第二回その二のプペルもそうだったが、ご都合主義感が半端ない。というか脚本の都合で動かされてる感しかない。

おばあちゃんに会いに行ったのものび太の思い付き。未来の結婚式に行くのはおばあちゃんの頼み。現代のドタバタは未来ののび太の我が儘。生まれた日に行くのもなんとなく。でもこれらに理由が付けられてないんだよね。
おばあちゃんに会いに行かなくちゃいけない理由も無いし、未来ののび太が現代に来たのは偶然だし。生まれた日ってのはスピーチのためだけど、前の由来を聞くためだけ。

まだ過去に行かなくちゃいけない理由があるならいいよ?全部登場人物の思い付きってこれさぁ。脚本のために動かしてるだけじゃん。おばあちゃん出したいから過去に行かせよう。結婚式を描きたいから未来へ行かせよう。でもいつものメンバーも出したいから現代でも事件起こそう。ついでに誕生日も出しちゃえ。
そういった風にしか見えない。これでドラ泣き?泣かせたい描写を下手な繋げ方で並べただけじゃん。

おばあちゃんとの感動の再会とか未来の自分とかドラえもんのタイムマシンって便利アイテムのせいで特別感が全く出ない。
同じタイムマシンものでもBTTFだと莫大なエネルギーが必要だから簡単には行き来出来なかったり、出来るようになってもトラブルで使えなくなったり、事件が終わったら壊れちゃったりってことで数回限りの時間旅行って事を演出してる。でもそれがないんじゃ特別でもなんでもない。しかも思い付きでおばあちゃんに会いに行ったくだりのせいで「高校別れちゃった連絡先持ってる中学の同級生に会いに行く」ノリにしか思えなくなる。

あと本編通じてほぼ全く精神的成長をしてない大人のび太。今回って結婚が怖くなったのび太を連れ戻すことがメインタスクな話じゃん。でも文字通り連れ戻しただけ。何かしらの成長するくだりが欲しかった。
それこそアニメ版の映画みたいだけど
「しずかちゃんが捕まるとかして結婚式に出られなくなる」→「逃げ出してたのび太が勇気を出して助ける」→「自信を付けて無事結婚」でよかったんじゃないかな。捕まるなんてファンタジックなのにしなくても恋敵に寝取られそうになるけど……とかそういうのでいいじゃん。
でも事件も起きずただ説得されただけじゃん。
この物語自体が茶番劇と化してる。

ほんと中盤の大人のび太の動向はイライラするだけだし、それを乗り越えて成長もしないし。何がしたいんだか。

さっき脚本の都合で動かされてるって言ったけど、ここまで来ると脚本自体が絵面のために動かされてるように思える。

あと細かいんだけど、ちょくちょく部屋の敷居踏んでたのはなぁ。
ゲームだったらわかるんだけど、アニメなんだからそう言うところしっかりやってよとは思うな。


絵面のために動かされてるからか絵は綺麗なんだよなぁ。
未来の街の未来感とか、タイムトンネルの描写。過去の町並みとかは美しいし、観ているだけでも楽しい。

なぁのぉにぃ、それらをぶち壊す内容の無い茶番劇。あと取り敢えず言わせた名台詞たち。それらのせいで雰囲気が壊れた感じ。
それこそ成長の場面と、おばあちゃんとの再会のプライス感、ストーリーの筋さえちゃんとすればウルっとぐらいはしたかもしれないよ。

涙は出たけど、退屈してあくびしたときにちょっと出ただけ。
ドラ泣きとはこの事かね?