合間に芝居や西洋剣術の「型」が挿入されるメタ表現のやりたい放題。なのに西部劇の骨太な流れが活きているから引き締まっている。亡き弟と敵方の用心棒を同一人物に仕立てる(多分)強引さ。敵と味方、生と死がない交ぜのミラクルワールド。
フィルター使いや照明使いが大胆で、赤っぽくなったり急に曇ったり閃光が走ったり。
劇中音楽もメタ構造。フリーミュージックのトリオがシーンの脇でアート・アンサンブル・オブ・シカゴ風にライブ演奏をしている(笑)。
演劇的な虚構を映画の文脈に落とし込むチャレンジとして、ストローブ=ユイレみたいなストイシズムではなく、快楽原則優先。