フィルムカメラ時代と対比して、現代は写真のデジタル化により、容易に写真を加工できてしまう。
そんな現代において写真とは何なのか?写真に写る自分は何者なのか?を問う作品。
写真についての男女の意識の違いも描かれているように思う。
女性にとって写真は自身の鏡となるツールとして、男性にとって写真は被写体との関係性を味わうツールとして、それぞれ描かれている。
そして、女性は自身のため、男性は関係性のため、という「視点」はカマキリのメスとオスの在り方にも比喩されている。
そういった主体と客体の視点を自在に切り替えながら、耽美かつ美麗な映像やテーマに仕立てられていて、現代アートとしての要件を満たしているように思った。非常に技巧的で好きだ。