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樹海村のこたつムービーのレビュー・感想・評価

樹海村(2021年製作の映画)
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大人の鑑賞物じゃあないね。これは頂けん。

まず前半たいへん退屈すぎる。
原日出子が(なぜか)死んだ辺りでもう終盤なのかな、とタイムみたらあと1時間あると知って吐血。

実際まあこれを折り返しとして、ほとんど映画が「入れ替わる」。上手い作りとも全く思わんが、それ以降「キュア」ばりに突然死描写のオンパレード。で、樹海の話はどこ行った?くらい、コトリバコメインの話に。


てかそもそも、樹海の含有率が低すぎる、なんて思って見てるわけですよ、こっちは。
そこで物語はゴーインに樹海とコトリバコを結びつけるわけよ(それも國村隼の台詞のみで)。

これで作り手は「樹海村」です!と言いたいのだろうが題名「コトリバコ」でいいだろ!って感じ。

つまり二つの話を取り入れようとしてブレまくってる。その証拠にラスト樹海の様相はほとんどコメディと化す。
それとダブル主演というのも納得で、妹さんがとにかく弱すぎて引っ張れず、後半なんてもう登場するだけノイジーにしか思えん(姉はがんばる)。

前半樹海に消えたキャストも、忘れたくらいに登場するがホント忘れてるっての。その仕掛けは読めた上に、とにかく間隔が長すぎ。後半は映画が入れ替わってる分、うまくもなんともない。
(せめて良い点挙げるなら、黒沢あすかが病院の扉を閉めるカット。人が一番怖い、がよく出ている)

そんなこんなだ。
とにかく作劇が散漫で、前半の退屈さを取り戻せない。観客であるオレは、ほとんど時間切れ判定の中、ただ成り行きを眺めてる感覚よ。こうなる前に、全体を20分は刈り込んでくれ。話に対し尺が長すぎる!


しかし。終盤。
ふいに。
本当にふいに「ご褒美」のような瞬間が訪れる。

それが安達祐実だ。
洞穴のシーン。急にクオリティの高い演技を見せつけられ一気に「良いものをみた」感が沸く(笑)。
が、安達祐実が退場してしまうとまた一気にボルテージは通常運行になりこの映画も終わる。



なんだろなあ・・

前作「犬鳴村」からユーチューバーの子、病院の子供もカメオ出演してるんだが、そういう作り手の「どうです?出てますよ?バイラルでしょ?」的鼻息なんてマジでどうでもいい。そんなことより、もっとオハナシ自体まとめてくれよって感じ。

「牛首村」・・3作目も作れるなんて殊勝なことだ。オレには前作より(さらに)この「樹海村」の方が酷かったので、よくシリーズ続くな?と感じたね(まあティーン向けの気軽なデートムービーなんだろうけど)。乗りかかった船。コーキ主演「牛首村」も観てみよう。


あ。ドローン撮影は前回より気合い入ってます。
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