雷電五郎

スリープオーバー 夜の大冒険の雷電五郎のレビュー・感想・評価

3.4
少々過保護気味な母親にうんざりしていたクランシー、口は巧いが先生に目をつけられているケヴィン、大きな不満という不満もない普通の家族の毎日…かと思いきや、ボランティアでランチタイムの見守りをしている母親が実は証人保護プログラムを受けて足を洗った大泥棒だった!

というあらすじのファミリーどたばたコメディです。
汚い言葉づかいやグロいシーンもなく家族で観ても差し支えない作品で、姉クランシー、クランシーの友人ミム、弟ケヴィン、ケヴィンの友人ルイスの四人が攫われた母親の行方を追う様がワクワクしました。

ミムが非常に良い立ち位置で、証人保護を担当するヘンリーがクリスマスライトで縛られているのを皮肉り、立ち去る間際に笑顔でライトをつけていく、クランシーがレザージャケットを着込んで感想を求めると「今すぐ脱いで」「恋に落ちそう」といった洒落たセリフが出てきて、少し臆病なクランシーとの対比もありすごく魅力的な人物に描かれているのが好きです。

また、ケヴィンも口の巧さで場を掻き乱すのが楽しく、とにかけ子供達のパートはニコニコしながら観れました。

マーゴット(母親)とロン(父親)とレオを交えた複雑な三角関係は少々ロンが鬱陶しくも感じてしまいましたが、ちょっと抜けてるけど愛嬌があり、変に真面目なところがあるロンにマーゴットが惹かれるのも理解できる部分があって楽しめました。

出来事としてはたった一晩の出来事で、綺麗に話がまとまっているので最後までするりと観れるコメディです。

とはいえ、マーゴットの設定が泥棒なのかスパイなのか…といった曖昧さがあり、両親サイドの展開にはそこまでの面白みは感じられませんでした。

全体を通して起承転結がはっきりしているのでスッキリ観れて楽しかったです。
セリフが洒落てるのも好きでした。
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