サラフィアー

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のサラフィアーのレビュー・感想・評価

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あらすじ(Amazonプライムより)元窃盗犯からFBIの情報提供者に転じたウィリアム・オニール(ラキース・スタンフィールド)は、ブラックパンサー党のイリノイ支部に潜入し、カリスマ的指導者フレッド・ハンプトン(ダニエル・カルーヤ)に接近する。その政治的手腕で頭角を現しつつあるハンプトンは、J・エドガー・フーヴァー率いる捜査当局に睨まれる存在だった。ブラックパンサーとFBIの間で巧みに立ち回りつつ、オニールは葛藤する。はたして彼は良心に従うのか。それとも手段を選ばずハンプトンを制圧せよという命令に従うのか。

「マルコムX」を観たので、お勧めされていたこちらを鑑賞。
うーん…なんともしれない気持ちになるな…

ハンプトンは「革命家は死んでも革命は死なない」と言っていて、まさにその通りなんだけど、あまりにも革命家が殺されすぎている。改めてアメリカってなんて国なんだ…となる。
ブラックパンサー党はテロリストではなく、言葉で、非暴力で闘い続けた結果、何度も殺されてきた黒人たちの最終手段だったんだろうな…

オニールがブラックパンサー党の思いや闘いを理解し始める頃には、スパイを辞めるには遅すぎたんだろう…それまで黒人の運動に無関心だったゆえ、FBIに都合よく利用されたと考えると、やはり知識は大事だなと思う。(彼が最初に拒否していたとして、選択肢が与えられていたかは謎)
しかしまあなんと汚いやり口なんだろう。貧しくて知識のない若者に与えるはずもない富と自由をちらつかせ、使い捨てのコマとして利用し、さらには黒人同士を対立させ、寝込みを襲う…
これを国が「正義」としてやってると思うと、ぞっとする。

もちろんオニールがやったことは明らかに裏切り行為だし、殺人なんだけど、オニールを主役に置いて、彼の葛藤を描くことで、そもそもの敵はなんだったのかという真実をしっかり見つめられるようになっていた。

コメント欄にネタバレレビューあり