Aki

私というパズルのAkiのネタバレレビュー・内容・結末

私というパズル(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

この映画は自宅出産の後に赤ちゃんが亡くなってしまった後の主人公の喪失と再生を描いた作品だと思っていたが、見た後ではその印象に加えて主人公マーサとそのお母さんとの絆を修復していくような物語という印象が強かった。だからこそこのタイトルもこの「マーサのかけら」ではなく、「女性のかけら」となっているのかなと思った。2人の喧嘩のシーンがほんとに印象的。パーティーの最中に喧嘩しているシーンがあって、その際お母さんが「私は困難な状況の中で、それでも生きぬいた。お母さんが私を必死になって1人で産んで必死に生活して困難な状況の中で私たちは生き延びたのよ」というセリフ。その後行われた裁判でやっと状況が整理されてつーっと涙が流れて、その後ふと思い出したように休みの時にマーサが、写真屋さんに行って現像した出産時の赤ちゃんとマーサの写真愛おしそうに見つめる。法廷に戻ってきてマーサが「言いたいことがある」と裁判長に直談判して意見を言うときに「やっとお母さんの言うことがわかった。ありがとう」という感謝のような表情を込めながらお母さんと目を合わせて微笑んでお互い笑うシーンがほんとに一番印象的。やっと事実と向き合えた瞬間なんだなって言うふうに私は思って涙を流した。感動的ながらも、最後はハッピーエンドでちゃんと終わってよかった。「りんごの香りがした」というセリフがそこにつながってくるのかと感心した。面白かった。
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